2013年11月22日金曜日

2013/11/21(木) 授業実施(da2)

●OpenOffice.org 2.4からの移行
続き。あらためて整理しながら書く。

【概要】
OpenOffice.orgのプレゼンテーションソフトImpressは、バージョン2とバージョン3以降との互換性が十分でない。そのせいで、これまでずっと3以降のバージョンへの移行を先送りにして、2.4を使い続けてきた。しかし、そろそろ限界であるので、OpenOffice.org 2.4から3.3への移行を本格的に検討した。その結果、3.3で新たなスライドマスターを作り、2.4で作ったスライドに適用すれば、あとは若干の編集作業だけで2.4のスライドを3.3に移行できそうである。

【前提】
自分が担当している授業科目では、OpenOffice.org 2.4のImpress(プレゼンテーションソフト)で作ったスライド資料を使うことが多い。このスライド資料をOpenOffice.org 3.3のImpressで開くと、表示だけなら問題ないが、編集しようとした途端に箇条書きのスタイルがおかしくなるなどの問題が生じる。また、このスライド資料をLibreOffice 4のImpressで開くと、表示だけでも箇条書きのブレットがなくなるなどの問題が生じる。一方、OpenOffice.org 3.3で作ったスライド資料はLibreOffice 4でも問題なく使用できる。

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            OOo 2.4     OOo 3.3     LibreOffice 4
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OOo 2.4のスライド資料 閲覧○, 編集○  閲覧○, 編集△  閲覧△, 編集△
OOo 3.3のスライド資料 閲覧△, 編集△  閲覧○, 編集○  閲覧○, 編集○
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2013年度の貸与ノートPCにはLibreOffice 4が導入されている。このPCで自分の作ったスライド資料を正常に表示させるためには、スライド資料を3.3以降の形式へと変換しなければならない。

【該当科目】
基礎1, 基礎2, swB, da1, da3, 演習1 では主にOOo 2.4で作ったスライド資料を使っている。
なお、lt, ltp, da2, gw ではほとんどPowerPointで作ったスライド資料のみを使っている。

【方針】
次の方針でOpenOffice 2.4からOpenOffice 3.3に移行し、LibreOffice 4にも対応できるようにする。なお、Apacheブランドで3.4が出ているのも知っているが、2.4からの開発の流れに近いバージョンのほうが安全かもしれないので、今回は3.3を選択した。

1) OOo 2.4のスライド資料に合わせ、OOo 3.3で移行用のスライドマスターを作る。
2) このスライドマスターを適用することで、OOo 2.4の資料をOOo 3.3の資料に変換する。
3) OOo 3.3の資料にしてしまえば、LibreOffice 4でも問題なく閲覧・編集できる。

【実施】
1) スライドマスターを作る。
昨日OOo 3.3の環境を用意したので、これでOOo 2.4の資料を開き、その資料に含まれるスライドマスターを編集してみた。しかし、箇条書きのレベルごとにインデントの深さを数値で指定しても、その指定とは違う深さで表示されてしまい、思うようなマスターを作ることができなかった。
そこで、OOo 3.3で新たなスライドマスターを作り直すことにした。OOo 3.3の標準のスライドマスターに対して変更を加えた。主だったところは次の通り。
・タイトル枠のフォントを40ポイントにした。これはOOo 2.4で使っていたマスターに合わせた。
・コンテンツ枠内にある箇条書きのインデントの深さを調整した。
・コンテンツ枠内にある箇条書きのブレット記号は、奇数レベルを黒丸、偶数レベルを横棒にした。
(OOo 3.3のデフォルトではレベル1, 2ともに黒丸で、レベル3からは横棒と黒丸が交互)
・レベル5からはフォントを12ポイントにした。
・レベル5のブレットとして空白記号を指定して、ブレットが表示されないようにした。レベル5は箇条書き項目の間を少し空けたい場合に使う。
(OOo 2.4では、まずレベル5の項目を作り、次に箇条書きを解除することでブレットを消して、小さな空間を作ることができた。OOo 3.3でこれと同じ操作をすると、ブレットが消えるだけでなく、行間の大きさやインデントの深さも箇条書きのレベル1と同じに戻ってしまう。その結果、意に反して大きな空間ができる)
・見てそれと判るようにOOo 2.4のマスターとは少し違うデザインにした。

2) スライドマスターを適用する。
次の手順で行ったところ、うまくいった。
2-a) OOo 3.3のウインドウで新たなスライドマスターで作った資料を開く。
2-b) OOo 3.3の別のウインドウでOo 2.4の資料を開く。
2-c) b)のウインドウからすべてのスライドをa)のウインドウにドラッグ&ドロップする(逆方向ではうまくいかなかった)。
2-d) スライド枚数が多いときは時間がかかるので、しばらく待つ。
2-e) 二つのマスターが混在した状態になるので、新しいマスターをすべてのスライドに適用する。
2-f) 箇条書きのレベル5を入れなおす(ここだけはスライドごとに作業しなければならず面倒)。
2-g) スライド資料をファイルに保存する。

3) LibreOffice 4で閲覧・編集する。
新たなスライドマスターを適用したスライド資料を2013年度の貸与ノートPC保守機に導入されているLibreOffice 4.0で開いたところ、スライドショーを含め閲覧には問題なかった。編集は簡単なことしか試さなかったが、特に問題ないように見受けられた。

【備考】
・既定のプログラムについて
手元にある2013年度貸与ノートPC保守機ではどういうわけか、拡張子odpのファイルをダブルクリックするとPowerPoint 2013が起動した。最初からこうなっていたのか、自分がどこかのタイミングでうっかりそういう設定にしてしまったのかは分からない。

・PowerPointとの互換性について
前述の手順によりOOo 3.3用として変換したスライド資料は、PowerPoint 2013でも開くことができた。ただし、箇条書きのインデントが全て無くなったり行間が少し広がったりするなど、表示の崩れが見られた。
OOo 3.3でPowerPoint 2003形式に保存したスライド資料をPowerPointで開いてみたところ、箇条書きのインデントが0になる現象はなくなって再現性は向上したが、それでもまだ行間は広めになり、表示の崩れがあった。もっとも、OOo 2.4で同じことをするとフォントがおかしくなってしまって見られたものではなかったので、それと比べるとOOo 3.3はずいぶん改善していることが判った。

もしかすると、LibreOfficeで保存すれば再現性がさらに上がってPowerPointに移行することも可能になるのかもしれない。しかし、いずれにしてもまずはOOo 2.4からOOo 3.3に移行するのが先である。

【OpenOffice.org 3.3のインストール】
PC 3台からOpenOffice.org 2.4を削除し、3.3を導入した。これで、自分の周りで2.4が残っているのは、私物PCを除けば、ゼミナール室内の発表用ThinkPad X60だけになった。

●授業準備(基礎2)
・基礎2 準備
これまでスライド資料はOOo 2.4で用意していたが、前述の移行手順の実運用テストも兼ねて、すべてOOo 3.3用に変換した。次回のスライド資料も、昨年度のものをまずOOo 3.3に変換し、これを改訂することで用意した。編集作業にも特に支障はなかった。
スライド資料のPDF版を作り、授業用Webページに掲載した。

●授業実施(da2)
・da2 実施
4限目・5限目に第9回を実施した。今回のテーマは計算量および線形探索と二分探索であった。

4限目には、まず小テストの前に、前回までの補足としてもう一度ヒープを取り上げ、簡単に要素の削除について説明した。次に小テストを実施し、自己採点も解説もなしで回収した。

今回の補足スライド資料を使い、アルゴリズムとは何か、およびO記法について講義した。喋りながら、説明の順序が拙いということに気付いた。変数の値を入れ替えるという簡単なアルゴリズムを例にとり、アルゴリズムによって所要時間やメモリが異なることを説明したあと、突然一次関数と二次関数の話に飛ぶのは、どうにも話しづらかった。昨年度もこの順序で話したはずであるが、特に困った記憶がない。恐らくスライドに書いていない何かの話をすると、自然な形で前後の話とつながるのであろうが、明文化しておかないと忘れてしまう。
また、話の中に対数(log)が出てきた途端に受講者の反応が悪くなったように感じた。挙手させてみたら、クラスの中にlogがなんなのか解るという受講者は全くいないようであった。あとでミニッツペーパーを見たところ、やはり質問項目としてlogが多く挙がっていた。

3クラス共通のスライド資料を使い、計算量、線形探索、二分探索と話を進めた。スライドに書かれていても端折れそうな話はバッサリ端折った。4限目の終了時刻より5分間ほど前に講義を終わらせることができた。

休み時間中に、用意を忘れていた今回分のミニッツペーパーをK'sLifeで用意した。

5限目には、まずミニッツペーパーに記入させ、次に演習問題に取り組ませた。課題の1問目が簡単なので、これにも取り組むように勧めたところ、多くの学生がこの課題にも解答した。結局、5限目の終了時刻よりも前に、全員が演習問題を解き終わり、多くは課題の1問目までも解いてしまった上で、教室からいなくなった。
こんなに時間的な余裕があったなら、講義をもっと落ち着いてやってもよかった。惜しいことをした。

●進路指導Webサイトの更新
学内合同企業説明会の参加企業一覧がメールで流れてきたので、Webサイトに掲載した。
先日ROBOCOPYをバッチ処理を導入してから、掲載作業の手順数が以前よりも少なくなり、作業が楽になった。

●授業処理(da2)
・da2 処理
助手による採点が済んだ小テスト答案に目を通し、得点をExcelファイルに入力した。また、演習および課題の得点をそれぞれ集計してExcelファイルに入力した。これらの得点を成績確認システムに掲載した。
注釈入りのスライド資料をPDF化し、圧縮して授業用Webページに載せた。小テスト正解のPDF資料も、圧縮して授業用Webページに載せた。

●その他
昨日の続きで、2013年度貸与ノートPC保守機にWindows Updateをかけた。
ThinkPad T60とIdeaPad s10-3tでもJavaなどの更新を行った。

ロータススーパーオフィス2000のOrganizer(バージョン5)およびPalmベースのCLIE PEG-TH55を、IntelliSyncで同期させながら使ってきたが、これらからの脱却を検討した。Organizerと同じPCにOutlookを導入すれば、いったんOutlookでOrganizerファイルをインポートしたのち、OutlookからiCalendar形式でエクスポートして、あとは好きなスケジュール管理システムに移行できそうである。

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